[No. 124] ジオパークの海の魅力を伝える活動

 地元の海の魅力を伝えるための撮影活動を続けており、県内外での写真展の開催、講演会、ウェブなどで地域の魅力を発信中である。近年は著名人と共著による出版や、撮影した動画が全国的な話題となるなど、地域の観光誘客に大きく貢献した。
 また、撮影活動を通じ地域での人的ネットワークも幅広く、団体と連携したメディア対策や講座の開催、イベントでのステージ活動など公務員の枠を越えた様々な活動が高く評価されている。

 小学生の頃から鳥取県岩美町の海の魅力にとりつかれ、水中写真撮影を開始、大学では魚類学を学び、水産技術職員として県庁に入庁。周年を通じて海に通い続け、年間の水中撮影時間は100時間を超える。撮影した写真は神秘的な海中景観や生きものなどで、平成21年から自身のブログ等で連日紹介。映像はメディア、自治体等から高く評価され、CMや全国誌、観光パンフレットなどで多数採用されている。近年は撮影、編集した透明カヌーの動画がヤフーのトップページに紹介され全国的な話題となった。
 また、写真展も精力的に開催しており、県内だけでなく鳥取県立図書館と連携し県外でも展示活動を行っている。
 平成22年には山陰海岸初の水中写真集「Tottori Blue」を出版。これがきっかけとなり、東京海洋大学客員准教授でイラストレーターの「さかなクン」と共著で「さかなクンの山陰海岸ギョギョ図鑑」を平成23年に出版した。出版以降、学園祭や地元での講演依頼等も多数受け入れ、自身も「かにクン」としてステージ活動なども展開。
 これらの活動は平成25年の鳥取県議会答弁で県知事が「型破りな名物職員」の例示で名指しで紹介した。

 撮影活動を通じて、同じ海でアクティビティを提供している地元の様々な団体(カヌー、ダイビング、サーフィン、遊覧船)や漁業者、観光事業者、メディア関係者などと幅広い人的ネットワークがあり、ダイビング事業の起業協力やスノーケリング体験講座の開催、観光魅力をアピールするためのメディア対策などに取り組んでいる。平成25年はカヌーガイド団体と連携して新規導入の「クリアカヌー」をPRする動画を作成したところ、透明度の高い海がヤフーで紹介され話題を呼び、動画アクセスは12万を超え、連日のメディア取材を受けるに至った。取材に際しては得意とする海中映像を動画、静止画問わずメディアに無償で提供し、その宣伝効果は1千万円をゆうに超えると評されている。この結果、平成25年のカヌー体験者数は前年比145%を記録、地元の海水浴場の利用者数も前年比35%増を記録した。このほか、砂丘の観光関係者と連携し全国規模の注目を集めた「砂丘糸電話実験イベント」や、スノーケリング体験団体と共催しての写真撮影講座の開催、日本さかな検定「ととけん」の鳥取県誘致など、その活動は多岐にわたる。
 さかなクンと親交があり、平成24年9月には鳥取県立博物館付属山陰海岸学習館のアドバイザー「ギョギョバイザー」の就任を実現させ、鳥取県が関係するさかなクンのステージでは、「かにクン」として共演し、芸人並の軽妙なトークを展開する。最近の学校や商工会での講演会や観光イベントではかにクンスタイルでの登場が定着しつつあり、明るく親しみのあるキャラクターは参加者から好評を得ている。
 職員が担当している「ジオパーク地域の活性化」の業務では、ジオパークの認知度向上が最大の課題とされており、職員の特技を活かし公私両面で様々な主体と交流しながら、ユニークな手法で鳥取県の魅力を発信し続けている活動が評価され、平成23年には知事表彰を受けた。