[No. 151] 地域を知る→人を知る→地域をつくる→「飛び出すプロセス∞」

拓己塾:官民共同の若者ボランティアグループ。地域の人の地域の魅力再発見が活動目的。ご当地検定、地域の祭りへの出店、各種マップの作成、ボランティアガイド、高校での授業等を実施。
SO-EN:地域活性化を目指したNPO。商店街を中心としたアートイベントや高校生との環境事業などを実施。
カタリバin宇和島:高校生に、社会人や大学生と一緒に進路について考えてもらうキャリア教育プログラムを実施。

①地域を知る
名古屋出身でIターンをした私。先ずは宇和島を知ることが公私ともに必要だと考えており、拓己塾の存在を知って参加。ご当地検定やマップ作成で仲間と市内を巡ったり、市史を読むなど、私の地域を知る取組がスタート。それにより課や役所を越えた出逢いも出来てきた時期。

②人を知る
4年目に市制初の東京出向。拓己塾で地域づくり団体全国研修交流会の分科会を担当するなど、取組を継続しながら、東京にて四国活性化を目指す団体(HIP)や私的な県人の集いなどに参加。仕事を越え世界を広げて様々な人と交流する中で、宇和島のPRを私的にしながら、人を通じてさらに愛媛・宇和島を知ることもできた時期。

③地域・人をつくる
2年後に帰宇。拓己塾を継続しながら、①カタリバin宇和島のスタッフ研修や当日司会の担当、②宇和島青年会議所への入会、行政とのパイプ役としての活動、そして③NPO法人の設立(2013年3月)など、地域をつくる取組を、これまで出逢って繋がってきた人たちと開始。

拓己塾も少しずつ認知され「どうやったら入れますか?」と若いお母さんに尋ねられたことも…(学習「塾」と間違えられる(涙))

(1)地域の課題は、魅力の発信不足です。そこで、①地域の水産業の未来を担う水産高校生を対象に森と海の連環や自然を知ってもらうイベントの実施、②自分たちで2コース策定したまちあるきのガイドの実施、③瀬戸内国際芸術祭広域連携プログラムとなったアートイベントにおける各プレスリリースや集客、これらを通して市内外に宇和島を発信してきました。

(2)市内の大名庭園の竹灯籠ライトアップでは、初めて夜間開放を実現しました。歴史上大名しか見られなかった景色に触れた市民の方からは、初めて足を運んだ、改めて魅力を知った等の感想をもらいました。また、お遍路さんに無料配布したお遍路マップの作成では、あえて不案内な部分を残し「わからんかったらききさいや(尋ねてね)」とおもてなし契機を生むコミュニケーションツールにするなど、若者の新しい視点で取り組みました。

(3)拓己塾のご当地検定に合格された地域のお年寄りは、自分たちで自主的に(勝手に!?)宇和島城のボランティアガイドをされています。

(4)拓己塾では、事務(予算や事業計画等)は行政職員が、ものづくり(お祭りの遊具作製やライトアップの竹加工等)は、大工などの民間メンバーが中心となるなど相互補完で、協働しています。また、構成員がより多様なSO-ENでは、農家・漁師・飲食店経営者・教員が環境分野の企画、会社社長やJCメンバーがアート分野の企画や集客など、それぞれが得意分野で力を発揮する活動となっています。

(5)どの団体でも事務局を担っています。メンバーは文化や背景がそれぞれ異なるため、多々議論が噛み合いません。全体を見ながら、(ある意味)話を翻訳したり、意見を促したり、多様性という魅力を維持したまま、各自が心地良く楽しめるよう留意しています。参加している自分たちが楽しめないと活動は広がらないので、先ずはそれを継続への第1歩と捉えています。