平成22年度太田市において、NPOと行政の協働として、ひとり親家庭等在宅就業支援事業を活用した業務委託を開始した。委託先はNPO法人在宅はたらき隊。事業は順調に進んでいたが、平成24年度に事業内容の変更があり、協働の趣旨から大きく外れる事態となった。次第に活動意欲をなくしていくNPO法人を見るにつけ、何とか元気づけたいとの思いから、個人の活動としてNPO活動支援を行うことを決意した。NPO活動全般に関する知識習得のため、NPOセミナーに参加している。(平成24年度~現在までに計7回参加)平成25年3月、NPO法人の活動PRのため、市長との懇談会を企画・開催した。月に一回、NPO法人との定例打ち合わせを行い、情報共有を図るほか、今後の方向性を協議している。NPO法人の活動を発展させるには、在宅就業という仕組みの評価向上が必要であると実感し、テレワーク推進を活動テーマに追加した。平成25年度は、ハローワーク太田所長との会談、テレワークセミナー参加、テレワーク第一人者・田澤由利さんのプロジェクト応援を行ったほか、長野県塩尻市振興公社を見学し、今後の協力体制やネットワークづくりを進めている。
(1)活動が低迷していたNPO法人に対して、励ましの言葉をかけ続け、対等な立場で協議を重ねた結果、NPO法人の活動意欲が復活した。県の補助事業採択による活動資金確保や業務開拓に成功し、ひとり親等の自立支援に貢献できた。
(2)テレワークの推進は「働き方の変革」という難しい側面を持っているが、公務での業務経験や他者との調整力を活用し、ネットワークづくりを進めている。将来的には地域に貢献できるNPO法人としてソーシャルビジネス化を目指している。
(3)テレワークは、ひとり親や障がい者の自立支援だけでなく、出産・育児・病気・介護等による離職を防ぐほか、災害時の業務継続等、幅広い分野に活用できる仕組みである。メーリングリストでの情報発信を継続的に行うなかで、テレワークに関心を持つ人は確実に増えており、波及効果が期待できる。
(4)どのような活動をしたら良いか悩み、かつて研修講師としてお世話になったNPO法人パブリックリソースセンターの代表理事(神奈川県職員)に相談したところ、「NPO法人を応援したいという熱意を失わずに、とにかく粘り強く、諦めずにやり続けていけば、必ず道は拓けます。」というアドバイスをいただいた。この言葉が大きな後押しとなり、今も活動の原動力となっている。ハローワーク太田所長からは、雇用・労働面での専門的な意見をいただき、NPO法人の活動改善につながった。塩尻市振興公社は太田市との共通点もあり、今後の強力なパートナーになるものと確信している。
(5)テレワークの有効性を情報発信し、ネットワークの拡大やNPO法人の「通訳」をすることが自分の使命である。次のステップとして、テレワーク第一人者・田澤由利さんの協力を得るための計画を策定中である。飛び出す公務員の活動は、人事異動に左右されず、ライフワークとして取り組むことができるので、今後も持続・発展させていく楽しみがある。