■私は、西宮市から派遣され2011.6~2012.9まで宮城県南三陸町役場で震災復興事業にかかる計画策定や合意形成を担当していました。
■仕事でハード面の復興まちづくり計画策定をする一方、ソフト面「心の復興」に何かお役に立ちたいと思い、町の若手職員と「ふるさとがえり」上映会を開催しました。震災で町を離れた人も多く、古里を考える機会になればと来場を呼び掛かけました。約130名参加。「町の昔の記憶や、震災前の景観も思い出させてくれる。いろんな角度から古里を考えるきっかけになった。ありがとう。」と感想をいただきました。
■2012年10月、任期を終え平和な西宮市に復職しましたが、被災地への思いの風化を感じ、関西に居ても東北復興を支援できること何か考えました。
それは、まず自分が「被災地のことを忘れない」こと。そして被災地の現状や今後の支援のことをまわりの皆さんに「伝えること」。職場、学会、大学、高校等で南三陸町のことについて20数回の講演。また南三陸町等で撮影されたドキュメンタリー映画「うたごころ」の自主上映会を主宰。西宮で13年2月に開催、約210名参加いただきました。
(1)効果・成果
南三陸町「ふるさとがえり」上映会では、地元の方を初め東京や仙台から映画会に参加していただいた多くの方と「ふるさと」への思いを共感できました。また、「うたごころ」では多くの方に共感・ご支援をいただき、南三陸町復興基金へ寄付金を持参できました。
(2)チャレンジ性
自主上映会は、PRが弱く参加者数が採算ラインを下まわれば主宰者は自己負担も覚悟しながら企画・開催します。しかし多くの方の賛同・感動をいただき被災地への金銭的な支援までつながると本当にやりがいがあります。
(3)波及効果
「うたごころ」上映会に参加された方が、当方に開催方法を聞かれ、実際に大阪でも開催につながりました。また、映画がきっかけで東北被災地を訪れた方もいらっしゃいます。
(4)協働
上映会は多くのスタッフの協力や志なくしては成功できません。企画立案から実施、後片付けまで有志、チームで心をあわせて動くことに喜びを感じます。
(5)継続性
・講演活動
「南三陸町の復興計画と被災地支援」等についての講演活動は、機会をいただける限り続けます。来年1月11日には地元(神戸東灘区)の小学校5年生対象に防災のことをテーマに講演します。阪神・淡路大震災と東日本大震災の被災状況の違いと避難行動。自分の身をまもること。助けあうことの大切さを伝えます。
・自主上映会主宰
南三陸町の「人」を伝えるドキュメンタリー映画には他に「ガレキとラジオ」があります。「うたごころ」も続編2012年版が制作されています。今後も有志を集めて上映会を企画・実施していきます。