[No. 143] 小中学生を対象とした地域の学習支援活動

西宮市の南東部に位置する小松地区で、地域住民、地縁組織と市役所職員有志が中心となり、小学校の児童を対象とした学習支援事業を毎週土曜日の午前に学習支援を実施している。
また、学習支援以外に夏休みの工作教室やお菓子教室、スポーツ教室など、地域ニーズに対応した取りくみをおこなっている。

(1)事業のきっかけ 本市の若手職員が、学習支援事業の事業提案を行ったことを偶然知り、その内容が、私が常日頃地域課題と感じていた地域内での多世代の交流と次世代の担い手の育成という2つの課題が解決できる可能性があると確信し、私が所属している「学文エココミュニティ会議」の活動エリアの一部で、平成23年の6月に事業を開始した。
(2)事業の準備段階
先ずは、事業予定地域の自治会長、小学校関係者、地域在住の教職員OB、子ども会関係者などにヒアリングを行い地域内での需要を確認し、同時に、地域の方から、事業に対する助言や提案をいただいた。
また、この趣旨に賛同した7名の職員とともに庁内のサークルとして「学習ボランティアサークル」(現在:西宮まちづくりサークル)を立ち上げ、サークル活動の一事業としてこの学習支援事業に取組むこととした。
(3)事業開始
事業開始に先立ち、説明会を実施し、平成23年6月25日に学習教室を開始した。
(4)1年目の実績と現在
36回開催(延べ316人参加)
現在では、学習教室のほか、特別プログラムとして、企業や専門家を招いて工作教室や料理教室、理科実験なども実施している。

(1)成果・効果
小中学校の週休二日制導入による教育格差の軽減に寄与と回覧板という広報ツールを用いた地域との連携により、学習教室への参加人数が以下に示すように順調に伸びている。
1年目:36回開催(延べ316名参加)
2年目:41回開催(延べ483名参加)
3年目:現在継続中
(2)チャレンジ性
この学習支援事業は、地域や保護者の理解、学校との合意形成ができれば実施できるシンプルな事業であるが、実際には、極少数の地域でしか行なわれていない。
その理由は、地域全体の理解を得ることは、多大な時間と労力を必要とし、簡単にはできないからである。しかしながら、今回、私たちは、この困難な事業にチャレンジした。
(3)波及効果
現在では、学習教室のほかに保護者も参加できる出張授業(大阪ガス様の理科実験)やスポーツ教室も実施し、徐々にではあるが、地域全体に協働の機運が高まっている。
また、マスコミ取り上げられることで、他の地域からの問合せもある。
(4)協働
この取り組みは、小学校区内の全自治会と青少年の育成協議会との協働事業として、学校の協力も得ながら地域全体の取り組みとなっており、学習教室の実施およびイベント等の周知は、自治会の回覧板と小学校の配布物で行なっている。
(5)継続性
平成23年6月から始めたこの事業も今年で3年目を迎えており、地域全体に浸透しており、まだ、実現できていないが、将来的には、当学習教室の受講生OBが、子どもたちを教える立場になることも目標の一つとしている。
また、現在は事業への前向きな提案や地域の方の参加率も徐々に増えてきており、今後の継続性は十分期待できる。