元々は、民間指向が強く、卒業後も、地元総合コンサルタント2社で働いた。国の地方の出先や、東京の国所管の財団への出向も経験したが、基本的には環境行政と関連深い分野を担当してきた。皮肉なもので顧客は、全国各地の国の出先や地方自治体であり、徐々に行政の仕事に興味を持つとともに、自分と家族が暮らす出身地のことを気に掛けるようになっていった。その後、縁あって、社会人経験者枠のあった今の職場に採用された。転職前も経験を地元に活かしたいと、ささやかな市民環境活動を行っていたが、転職後は、更に行政の経験も活かしたいと考えていた。転職後2年目、本務で環境基本計画の見直しを行っていた矢先、地元でも環境基本計画が策定されることを知った。国や県などに比べ小さな市は、環境行政に明るい職員が少ない印象を持っている。初の環境計画を策定する市となればなおさらであり、ある程度、コンサルなどに頼らざるを得ない。ただし、業者にもよるが、地域の特性を十分に踏まえない紋切り型の計画になりがちである。そこで、専門性を持ち、地域と行政に明るい自分が参画すべきと考えた。結果、市の将来像など多くの部分で協力できたと思っている。
(1)自らが暮らす地元自治体初となる環境基本計画が策定された。そして、計画に従った事業も徐々に進められている。
(2)業務で身に着けた専門性と市民活動で身に着けた幅広の知識が活かせるよう、市民委員に応募し論文審査を経て選任された。
(3)環境基本計画自体は、市の事業活動や市民活動の環境面での指針とも言えるものであり、市の施策全体に活かされている。また、私の場合は、たまたま専門が環境のため、環境審議会への応募であったが、教育や福祉や防災など他の分野においても審議会や協議会に諮られるケースは多く、住まいと職場の自治体が異なる公務員の場合、暮らしている自治体においては、自己の専門性にあった分野への参画が可能ではないだろうか。
(4)環境分野は廃棄物から地球温暖化、生物多様性や景観まで多岐にわたっており、当該審議会でも多様な分野から複数の市民や市民団体が参画し、それぞれの主体の協働したことにより本計画が作られたと考える。
また、個人的には、現在、この審議会などを通じて親しくなった森づくり系の環境NPOに所属することとなった。このNPOでは、市有林を企業と協働で整備したり自然体験の場として活用するなど、市が進める自然環境保全を自治体、企業との協働により進めている。そして、私は、本年度よりこのNPOの理事を拝命し、地域の自然環境を学びの場として活用するフィールドミュージアム事業などの企画運営に携わっており、この事業は、県の市民協働事業の採択を受けている。
(5)環境基本計画自体は、平成33年までの計画であり、その間関連する事業は継続される予定である。